最近なんとなく我が家の台所周りが雑然としてきたこともあり、整理をしていたところ、そこはやはりコースターを専業としているだけあり、整理を進めるにつれてコースターが続々と出てきました。
その総数は余裕で10枚以上を数え、いつの間にこんなに集まっていたのかと筆者自身も非常に驚かされたのですが、困ったのはその後。
整理という名目で出土されたこれらのコースター。
処分する目的だったはずなのですが、改めてその一つ一つを見てみると、紙やコルクが持つ質感とそれぞれに施されたデザインに様々な思いが込められていることに気がつきました。
例えば制作者はなぜこの素材を選んだのか、この素材にマッチするものとしてなぜこのようなデザインを作ったのか、どのようなターゲット層へ向けて考えたデザインなのか・・・など、様々な思いを巡らせてしまい、結局それらのコースター全てがかけがえのないものに感じられ、手元に残しておくことにしました。
普段ものづくりを生業としている身としては、たかがノベルティとはいえ、その一つ一つに作り手の様々な思いが込められていることに気づかされます。
企業において起死回生の想いを託したデザイン、一人のデザイナーが自分自分を世に売り出すために作成した渾身のデザイン、もっと自分たちのことを知ってほしいという想いを込めたデザインなど、たった90mmのキャンバスに込められた想いというのは、ある意味ひとつの芸術作品とも言えるのではないでしょうか。
そういった意味において、我々の仕事は非常に重要な役割を担っているのだ・・・ということを少なからず感じることができ、我が家の大掃除の思わぬ収穫となったのでした。